拍手などのログです〜。



拍手ログ・ハロウィン前
拍手ログ・クリスマス前
こたつ
春爛漫(一夜怪談)
世にも奇妙な座談会・1(歪アリ+一夜怪談)
世にも奇妙な座談会・2(歪アリ+一夜怪談)
世にも奇妙な座談会・3(歪アリ+一夜怪談)
世にも奇妙な座談会・4(歪アリ+一夜怪談)
世にも奇妙な座談会・5(歪アリ+一夜怪談)
二度目の秋







拍手ログ・ハロウィン前


猫「波浪院」
ア「違うよー! ハロウィン! もうそろそろでしょ? 実はいつなのかよく知らないけど」
廃「……そんなアバウトでいいのか?」
ア「いいんじゃない? 日本人にハロウィンなんてネズミーランドでパレードあるくらいじゃない」
廃「まあそうだけどさあ」
猫「ネズミ」
ア「……食べるものじゃないからね? チェシャ猫」
猫「猫はネズミを食べないよ」
ア「あ、なんかそれ前にも一回きいたことある」
猫「言ったね」
帽「相変わらずアリスは物覚えわっりィな!」
ア「うわ! 帽子屋! 何でここにいるの!?」
帽「いちゃ悪いのかよ!? 猫やパンは良くて俺やネムリンは駄目なのかよ!? サベツだ、サベツっ!」
ア「そんな事言ってないし! 別にネムリネズミについては何も言ってないし!」
廃「じゃあ何だ? 何かマズいことでもあんの?」
ア「それよ、それっ!」
廃「は?」
ア「廃棄くんと帽子屋って口調だけ見ると似てるの! 混乱するからどっちかは自粛してくれないかなあ」
帽「だっから、何なんだよそれは!? それこそサベツじゃねえか!」
ア「じゃあはい、帽子屋はこれを使って」
帽「……なんだこれ」
ア「○×カード。クイズの回答とかでよく使うアレよー。いま出てる意見に賛成だったら○、反対だったら×を掲げてねー」
帽「何だそりゃあ!」
ア「反論はナシ! ハイ今からねー!」
帽「……! ……!?」(反論しようとしたが喋れない)
廃「おい、アリス……いいのか、これ?」
ア「いいんじゃない」
帽『×』『×』『×』

ア「話を戻してー、ハロウィンなんだけど」
廃「そうそう、なに、やるの?」
ア「やりたいなー! みんなでやろーよ、ハロウィンパーティ!」
猫「……アリス」
ア「なあに?」
猫「波浪院は、おいしいモノ?」
廃「……は?」
ア「ひょっとしてチェシャ猫、ハロウィン知らないの?」
猫「??」
ア「知らないのね。うーんと、海外のパーティでね」
猫「カイガイ」
ア「あ、外国のこと。海の向こうの違う国のことだよ」
猫「女王の国のことかい」
ア「え!!? ち、違うよっ! 確かに海の向こうだけど……。とにかく違う国のお祭りでね!」
猫「オマツリ」
ア「うんうん。えーっと、オバケに仮装してパーティやるの!」
廃「でもさ、アリス」
ア「なあに?」
廃「オレらって……仮装、必要か?」
ア「!!!!!!!」
帽『×』『×』『×』
ア「た、確かに……。チェシャ猫も必要なさそうだし……」
廃「…………」
猫「…………」
ア「じ、じゃあただのパーティで! それでいこう!」
廃「そ、そうだな! それでもいいよな! ……で、何用意するんだ?」
ア「えーっとね。会場は帽子屋とネムリネズミのお茶会の場所を借りるとしてー、」
帽『×』『×』『×』『×』!!
ア「お菓子と料理かなー。みんなで持ち寄るの!」
猫「料理……」
ア「チェシャ猫は何が食べたい?」
猫「僕はアリスが」
ア「わーーー!!!! 今の質問ナシ! は、廃棄くんは!?」
廃「いや、俺パンだし。でもそれだったら丁度いいな、俺の仲間とかあんぱんとか誘って」
ア「わーーーーー!!!! それもナシ! ね、ねえやっぱりやめとこ? 考えてみれば年中ハロウィンだし!」
猫「そう?」
ア「そう!」

〜こうしてハロウィンパーティ計画は頓挫したという〜














拍手ログ・クリスマス前


ア「もうすぐクリスマスだよーっ!」
廃「今度はクリスマス?」
ア「そうっ! 幾ら不思議の国の皆でも、クリスマスは普通に祝えるもんね! ね! みんなでクリスマスやろー!」
猫「くりすます」
ア「……知ってる?」
猫「知っているよ」
ア「知ってるの!?」
廃「自分で聞いたんじゃん」
ア「あ、そうか。……えーと、じゃあチェシャ猫、クリスマスってどんなモノ?」
猫「赤い服を着たニンゲンがプレゼントを配るんだよ」
ア「サンタさんね。なんだ、ちゃんと知ってるんだ!」
猫「赤は、血の赤だよね?」
ア「!!!??」
廃「ぶっ!! ……猫、なんつーことを!」
ア「ち、違うよチェシャ猫! サンタさんの赤は血の赤じゃないの!」
猫「じゃあ、何で赤いんだい」
ア「それはね……」
廃「それは?」
ア「コカ○ーラの陰謀よっ!」
廃「えええ〜っ!?」
猫「インボウ」
ア「まあそれはさて置きね?」
廃「置くんだ!?」
ア「置くの! で、クリスマスなんだけど、どうしようか?」
廃「うーん……無難に飾りつけ、かなあ」
ア「そうよねー。いつも利用させて貰ってるんだもん、帽子屋とネムリネズミのお茶会会場、クリスマスくらいは飾ろっか」
廃「!!? クリスマスもそこでやるのか!?」
ア「当然じゃない〜。だって他に会場になるとこ、廃棄くん知ってる?」
廃「うーん……あ、そうだよ、レストラン・イナバはどうだ?」
ア「レストラン・イナバってあの……ホテル・ブランリエーヴルの?」
廃「うん」
ア「公爵夫妻がいた?」
廃「そう、そこ」
ア「……やだ」
廃「な、なんで?」
ア「だって! カエルなのよっ給仕がカエル!! カエル達には悪いんだけど、私、カエル苦手なんだよね……」
廃「……アンドレイが知ったら泣くぞ」
ア「何でそこでピンポイント個人名なのよ〜」
廃「んじゃ、あそこは? 女王様の城。広いし、料理人はウミガメモドキだぜ」
ア「廃棄くん!!? あそこ首ナシ死体がごろごろしてるのよ!? 二階には首がごろごろしてるのよ!!? 女王様は好きだけど、怖いのは嫌なのー!」
廃「う、うーん、じゃあビルの廃ビル……」
ア「ダジャレ?」
廃「違う!!!!」

ア「で、ビルのビル……ぷっ」
廃「怒るぞ?」
ア「お、怒んないでよー! んで、ビルのとこもちょっと外観的に、ね。ていうか正直、あそこは辛いの……」
ビ「アリス」
ア「きゃああ!」
廃「うわ!」
ア「お、驚いたあ、ビルかあ。……ぷっ」
廃「しつこいぞ、アリス」
ビ「私の名前が何か?」
ア「ううん!!? 別に何でもないの!?」
廃「声、裏返ってるぞ」
ア「…………」
ビ「…………」
廃「…………」
ア「そ、それでビルは? どうしたの?」
ビ「いえ、伝書鳩のピーターがアリスに伝言をと」
廃「伝書鳩?」
ア「あー、女王様の所の伝書鳩だよ! でも私に伝言? じゃあどうして私じゃなくてビルのほうに行ってるの?」
ビ「大方、迷子になったのでしょう。アリスを目指していたようですから」
ア「そうなんだー。そういや私が女王様のお城に行った時も迷子になっていたね」
廃「……伝書鳩に向いてないんじゃねえの、そいつ」
ア「まあまあ。で、何て書いてあるの?」
ビ「読み上げましょう。『拝啓 愛しのアリスへ クリスマスパーティを開かれるそうだけど、是非わたくしの城をお使いになって。飾りつけなどはわたくしの家臣にやらせますわ。アリスはただわたくしの隣にいるだけでいいの。そうしたら、0時丁度、聖夜に相応しい美しいキャンドルの炎がよく似合う愛らしい生首にして差し上げてよ。どうかわたくしのお願い、聞いて下さいましね。……追伸、猫は連れて来ないで頂戴。あなたのわたくしより』――以上ですね」
ア「…………」
廃「…………」
ビ「…………」
廃「……行くの?」
ア「あああああっ! どうしよう廃棄くん〜! 女王様のお願いは聞いてあげたいけど、生首になるのはイヤーー!」
猫「落ち着いて、アリス」
廃「あ、猫いたんだ」
猫「ずっといるよ」
ビ「それでアリス、返信はいかがいたしましょう?」
ア「えーっと、えええええーーっと……」
猫「生首はダメだし、僕はアリスの行く所には一緒に行くよ」
ア「うん……じゃあ一応、パーティはお茶会の会場で! ってことで!」
ビ「では断りの返信を」
ア「でもその代わり、招待状を送ろう! 何て書けばいいかなあ?」
猫「いらないんじゃないかな」
ア「もー、そんな事言わないの!」
廃「……ま、これで会場は決定だな」

帽「ちょっと待て!! お前らはいっつもいっつも俺の話は無視して勝手に決めやがって!!」
ア「あ、帽子屋だー」
帽「! 前みたいに○×カードは持たねぇからな!?(ハロウィン参照)」
ア「やだなー、今日はやらないよー」
廃(……『今日は』?)
ア「それより帽子屋、お茶会の会場……」
帽「断る!!!!」
ア「……まだ何も言ってないのにい!」
帽「どうせまた会場を貸せってんだろ!? ぜってー、嫌だね!」
ア「いいじゃないの〜。だってあの会場すごくいい場所だし、お菓子もお茶もたくさんあるし。多少溢れても公園の中にいればいいし。持ってこいの場所じゃない?」
帽「あれは! 俺とネムリンの場所!!」
ア「お願いっ!」
帽「イ・ヤ・だ・ね! どうしてもってんなら、バラ園でやりゃいいじゃねーか」
ア「バ、バラ園!!?」
廃「でもあっち、バラが襲ってくるじゃん。俺はパンだから関係ねーけど」
帽「だから、バラが眠ってからやればいいじゃねーか」
ア「うっ……帽子屋の……」
帽「おい!!? なに泣いてんだよ! ちょ、アリス!」
ア「……帽子屋のっ……帽子星人ーーー!!!」
廃「ぼうしせいじん!!?」
帽「ガキかよ!!!!」
廃「……あ、猫に泣きついた」
帽「…………」
廃「…………」
ビ「…………」
廃「うお!!? ビルまだいたのか!?」
ビ「ええ。ずっといますが」
帽「………っ」
廃「?」
帽「うっ……ネムリーーーン!!!」
廃「うっわあ!? ……帽子屋もネムリネズミに泣きついたよ……」

廃「…………」
ビ「…………」
廃「この状況、俺はどうすりゃいいんだ……」
ア「と、とりあえずね……っ」
廃「あ、戻って来た」
ビ「アリス、これで涙を拭いて下さい」
ア「ハンカチ……ありがと、ビル。うーっ、……ずび」
廃「鼻まで拭くなよ!?」
ア「あ……ごめん」
ビ「構いませんよ」
ア「ごめんね。……でね、とりあえず皆12月23日の午後6時に集合ね」
廃「どこに?」
ア「お茶会の場所」
廃「結局そこでやるんかい!」
ア「うん。帽子屋とネムリネズミには、チェシャ猫が、」
猫「二人には僕が言っておくよ」
廃「暴力に訴えるなよ?」
猫「…………」
廃「何とか言えよ!?」
ア「チェシャ猫、乱暴はダメだよ?」
猫「僕らのアリス、君が望むなら」
廃「…………」
ア「でね。廃棄くんも6時に来てね。皆で飾りつけやろ?」
廃「おう。ところで帽子屋は?」
ビ「あそこに」
廃「……まだネムリネズミに宥められてる……」

萩「クリスマスかー、いいなー。俺たちが行っても大丈夫ですかね?」
浅「いいんじゃない。行けば」
萩「やだなー、もちろん浅葱さんも一緒にですよー! お友達をのけ者にしたりしませんって!」
浅「僕は純粋にただ行きたくないんだよ! 一人で行け!」
萩「えええー! 一人で行ったら首とか斬られそうじゃないですか! 浅葱さんも行きましょうよー!」
浅「…………断る」
萩「どうせ浅葱さん、一緒に過ごす人なんかいないでしょ? 決まりですね!」
浅「断る!」
萩「んじゃあ12月23日の午後6時に俺たちも行きましょう!」
浅「い・や・だ!」
萩「わー、今から準備とかしておこうかなー! 浅葱さん車出してくださいねー」
浅「嫌だって言ってるんだけど」
萩「楽しみですねー! 野々宮も誘おうかなー」

廃「……また何か出張してきたみたいだけど」
ア「いいんじゃない? いつものことだし」
廃「もうお決まりになってんの!?」
猫「様式美だね」
ア「うん、そんなかんじ」
廃「そ、そうかぁ?」


  ◇おわり◇















こたつ


ア「コタツだよ、チェシャ猫ー」
猫「こたつだね」
ア「暖かい?」
猫「暖かいよ」
ア「そっか、良かったあ!」
康「……あのな、亜莉子」
ア「あ、叔父さん。叔父さんもコタツ入りなよ〜」
康「そ……そうだな。邪魔するぞ」
ア「どうぞ〜。みかん食べる?」
康「おお、サンキュ」
ア「チェシャ猫はみかん食べる?」
猫「猫はみかんを食べないよ」
ア「えー、食べる猫もいるって聞いたよ〜」
康「亜莉子、無理強いは良くないぞ」
ア「うん、そうだね。ごめんねチェシャ猫」
猫「いいんだよ、僕らのアリス」
康「……それでな、亜莉子」
ア「あ、なあに?」
康「……叔父さんは生首だけの怪しい人物にしか見えないコレが猫だってのは、まあ信じるよ」
ア「うん、初めて会った時は混乱させてごめんね〜」
康「いや……それはいいんだ、うん。カビくんにも会ったしな」
廃「カビ言うな」
ア「あ、廃棄くん。廃棄くんもコタツ入りなよ〜」
廃「俺はパンだからそういうのはいいよ。逆に湿気るからな」
ア「そっかぁ」
康「……また話が脱線しているが、戻すぞ。亜莉子、叔父さんは亜莉子がこいつらを大事に思ってるのはよく解る。よーく解るぞ! 俺にとっても亜莉子を守ってくれた恩人だからな」
ア「うん……」
康「でもな! いくら猫とはいえ、一応人間の、男っぽい形をしているんだから! 膝に乗せてコタツに入るのは止めなさい! せめて膝は止めなさい!」
ア「え〜? どうしてー?」
康「亜莉子もうら若い女性なんだから、そういうことはもうちょっとキチンとだな……」
ア「やだな叔父さん、考えすぎだよ〜」
廃「オッサン意外と古風だな」
康「カビくんはどう思う、これ」
廃「カビ言うなって。あー…まあ猫だし?」
ア「そうだよー。それに猫ってコタツに入った膝の上に乗ってくるものだし」
康「だがしかしなァ、こう、見た目的になー…」
廃「生首な時点でそれ言い出したらキリがないって」
女「わたくしは叔父さまの意見に賛成ですわ!」
ア「あ、女王さま! こんにちはー」
女「ご機嫌よう、わたくしたちのアリス。……とにかく、アリスの叔父さまの仰る通りよ。不埒な猫など膝から下ろしてしまいなさいな!」
猫「でも僕は首だけだからね。アリスの膝に乗らないと、コタツに入れない」
女「まああっ生意気な! ならコタツに入らなければ良いでしょう!?」
猫「猫はコタツが好きなんだよ」
ア「……女王さま〜、今度ばかりは、ね? 猫って本当にコタツが好きなんだよ。取り上げたら可哀想だよ」
女「……う……アリスがそう言うのなら……(しぶしぶ)」
ア「良かったあ! じゃあ、女王さまもコタツに入ろうよ」
女「アリスがそう言うのなら……(うきうき)」
廃「女王さまとコタツって、ミスマッチな光景だな……」
ア「女王さま、みかん食べる?」
女「アリス……! いただきますわ!」
ア「あったかいね」
女「ええ、とても暖かいわ、わたくしたちのアリス」
廃「……女王様、幸せそうだな。……ん? オッサン? どうしたよ?」
康「……いや、また色んなのが出てくるかもと身構えていたんだが……もう出てこないみたいだな」
廃「……オッサンもまだ慣れてねーんだな……(ほろり)」















春爛漫(一夜怪談)


桜の木の下で。

萩「やー、いい花見日和ですねー」
浅「まあね」
萩「どうぞどうぞ、今日はパーッと花見ってことで、お酒もおつまみも用意してますから! 普段浅葱さんにはお世話になってますからねー、これくらいはドーンとおごらせてください!」
浅「……それはいいんだけどさ。何でつまみが、みかりんしかないわけ?」
萩「さあさあ飲んで下さい!」
浅「ビール……」
萩「野々宮は遅れるそうなんですよー。先にカンパイしときましょーか?」
浅「お前は飲むなよ、未成年」
萩「解ってますよー。だから俺は、ほらウーロン茶で」
浅「……まあいいか」
萩「はい、カンパーイ!」

〜10分経過〜

萩「それにしてもいい桜ですねー! あっ、浅葱さんみかりん食べてないじゃないですか! 遠慮せずにほら!」
浅「いや、僕は飲み専門で。後から野々宮が普通のつまみも買ってくるだろうし」
萩「そうですかー? ……あっ!」
浅「なに」
萩「浅葱さん、知ってます?」(声をひそめつつ)
浅「……なにが」
萩「桜の木の下にはねー、……死体が埋まってるそうなんですよ!」
浅「…………。あ、そう」
萩「えー、リアクション薄いじゃないですかー! もっと驚いてくださいよ!」
浅「ははははは」(乾いた笑い)
萩「さすが浅葱さんは怖いもの慣れしてますねー」
浅「そんな慣れは無いけどね。……あれ、萩間?」
萩「はい?」
浅「何か、お前のうしろ……ああ、いや……。……何でもないよ」
萩「!? なななな、なんですかー!? おおお俺の後ろ!? 後ろが何か!?」
浅「いや、だから何でもないって。……うん、見間違えってやつだと思うし。多分、きっと……」
萩「何ですかその歯切れの悪い言い方ー! わー! 後ろ!? 何も無いですよね!? ですよね浅葱さん!?」
浅「うん、大丈夫だろ、お前なら」
萩「うわーーーん!!」
浅「まあ、僕を驚かせようなんて100年早いって事だよ」















世にも奇妙な座談会・1(歪アリ+一夜怪談)


ア「なんだろ、このタイトル。お邪魔します。葛木亜莉子です」
萩「あ、どーもどーも。萩間靖之です」
浅「……浅葱圭一郎です」
萩「やー、こんな可愛い子と座談会なんて、緊張しちゃいますねー浅葱さん!」
ア「かっ!? あ、ありがとうございますっ……」
萩「あははは。亜莉子ちゃんは高校生かー。いいねー青春だねー」
浅「言い方が親父臭いよ」
ア「あはは……」
浅「…………」
萩「…………」
ア「…………」
萩「……で、亜莉子ちゃん。あの〜、亜莉子ちゃんの隣にいるのは……えーと、その。…………人間?」
猫「僕はニンゲンじゃなくて猫だよ」
萩「ねねねね猫!?」
ア「えっと、チェシャ猫です。チェシャ猫、挨拶しなきゃ」
猫「……コンニチハ。」
萩「猫……猫ってもっとこう、ふわふわで小さくて可愛いものじゃないの!?」
浅「…………」
萩「ああああっ浅葱さん眼を逸らさないで! 現実を見なきゃ!」
浅「僕はこーいう、ワケの解んないことは嫌いなんだよ!」
萩「オレだって怖いのヤですよォ!!」
猫「……アリス」
ア「なあに?」
猫「ハギマとアサギは、おいしい?」
萩「おおおお!? おいしいってどういう意味ーー!?」
ア「ダメだよチェシャ猫、食べるものじゃないの」
猫「そうかい」
萩「あああ浅葱さん、オレ挫けそうです……」
浅「頑張れよ主人公。お前が主役だから。代表者として頑張れ」
萩「イヤーーーー!!」
ア「大丈夫ですよー。ね、チェシャ猫!」
猫「ネー」















世にも奇妙な座談会・2(歪アリ+一夜怪談)


萩「えーと、じゃあとりあえずチェシャ猫さんは猫ということで、」
ア「はい!」
萩「……で、何を話せばいいのかな?」
ア「……さあ……」
萩「まあ、突発企画っていうかただの思いつきみたいだし、適当に世間話でも……。そーだ亜莉子ちゃん、お菓子食べます?」
ア「いいんですか? いただきますー」
萩「ウチの地元の銘菓なんだけど、みかりん」
浅「お前こんなとこにまで……」
萩「だって今は携帯サイトの拍手アイコンにまでしちゃってますし、何かここにも出さなきゃって義務感が」
猫「ミカリン」
萩「うひっ!? ち、チェシャ猫さんも食べますか……?」
猫「猫はみかりんを食べないよ」
ア「えー、チェシャ猫食べないの? 結構美味しいよ」
猫「猫はみかりんを食べないんだよ」
ア「そっかー。じゃあ仕方ないね」
萩「…………」
ア「…………」(もぐもぐ)
浅「…………」
萩「えーと、えー……そうだ、亜莉子ちゃんは学校とかどう? 楽しい?」
ア「あ、私最近転校したばかりで……まだあんまり」
萩「そっかー。うんでも、きっとすぐに友達とか出来て面白くなると思うよー」
ア「萩間さんと浅葱さんはお友達なんですか?」
萩「うん! ちょっとしたことで知り合って、それ以来のお友達なんです。ねー浅葱さん!」
浅「僕は最近それを後悔してばかりだけどね」
萩「えええええ!? 何でですかー!?」
浅「妙な事に巻き込まれる事が多くなった気がするから」
萩「そんなー! そんなことないですよー!」
ア「……仲良さそうでいいなー。ね、チェシャ猫」
猫「そうだね、僕らのアリス」















世にも奇妙な座談会・3(歪アリ+一夜怪談)


萩「えーと、またまた気を取り直して……あ、みかりん無くなっちゃいましたね」
ア「私も何か持ってくれば良かったかなー。ごめんなさい、手ぶらで来ちゃって」
萩「いやーそんな、こっちが勝手に持ってきただけだし、気にしなくても……」
猫「お腹がすいたのかい? なら僕をお食べ。」
萩「…………」
浅「…………」
ア「もーチェシャ猫ったら、またそんなこと言って」
萩「……今の発言を笑い飛ばせるんだね。亜莉子ちゃんって凄いなあ……」
浅「……そうだね」
萩「でも何か、アン○ンマンみたいですねー。僕の顔をお食べ、って! あはは」
浅「……お前も十分凄いと思うよ」
猫「僕はあんぱん族じゃなくて猫だよ」
萩「……そ、そうですね。って、あんぱんぞく?」
猫「つぶあんと、こしあんがいるんだよ」
萩「そ、そうなんですか。俺はどっちでもいいかな〜……パンよりはご飯が」
廃「ストロベリージャムはっ!?」
ア「あ、廃棄くん」
萩「うわ!!?? え、誰? 何で裸!? ていうかカビっ」
廃「カビ言うな! それよりお前、ストロベリージャムパンはどうなんだ、ええ?」
萩「えええええ!!? な、何ですかこの子ー! あああ浅葱さーん!」
浅「…………」

萩「眼をそらさないでー!!」
廃「で、ストロベリージャムパンは?」
萩「だだ大好きですーー!! はい、そりゃもうっパンはやっぱりストロベリージャムですよねっ」
廃「そ、そうか。……よし。」
ア「良かったね、廃棄くん」
廃「……ああ」
ア「廃棄くん、照れてるー」
廃「う、余計なことは言うなよっアリス!」
ア「あはははは」
萩「……なぜ、ほのぼのエピソードみたいになってるんですか〜……俺もうへこたれそうです……」
浅「葛木さんの側に行けば?」
萩「え、何でですか?」
浅「あの妙な奴らはあの子の中から出てきてるみたいだし、あの子なら制御できるだろ」
萩「そっか! さすが浅葱さん! 俺亜莉子ちゃんの側に移動しますっ浅葱さんはチェシャ猫さんの相手をお願いしますねー!」
浅「!? おい、何を勝手にっ……」
萩「亜莉子ちゃん、隣に座らせてくださいっ」
ア「? いいですよー」















世にも奇妙な座談会・4(歪アリ+一夜怪談)


萩「正直な話、俺、怖いのすっごくダメなんですよ」
ア「はあ。私も怖いのはちょっと嫌かな〜。女王様のお城で首なし死体を見つけた時なんか、腰が抜けそうだったし」
萩「……俺はそんなものに出会ったら、気絶してます……」
ア「あははは……」
萩「亜莉子ちゃんや浅葱さんみたいに強くなりたいんだけどねー、難しいです、なかなか」
女「ちょっと、あなた」
萩「はい? ってえええええ! まままたどなた様でしょうかあー!」
女「わたくしたちのアリスに、気安いにも程があってよ! 今すぐアリスの側から離れなさいな!」
ア「あれ、女王様」
女「ごきげんよう、アリス。少しだけ待っていてちょうだいね。今この男の首をはねて、不埒なことが出来ないようにしますから」
萩「っぎゃーー!! かかか鎌っ鎌っ! 久しぶりの生命の危機ですよー浅葱さああんっ!」
女「あら、見かけない顔がまだいましたのね。折角の機会ですから、ふたり並べて飾って……」
萩「わー! 浅葱さんの首をはねたらダメですっ浅葱さんを殺すくらいなら俺をー!」
浅「また何を言い出すんだ、お前は!」
萩「いいんですっ俺はっ! 浅葱さんの代わりになるなら、俺の首なんて! 怖いけどっすっごく怖いけど! 浅葱さんは何も気にせず逃げて下さいっ」
女「…………」
萩「いやホント、すごく怖いし死んじゃったらまあ浅葱さんの枕元に立つくらいはするかもしれませんけど、それくらいは許して下さいねっ塩かけないで下さいね!?」
浅「脅しか、それは?」
萩「そんなわけないじゃないですかっ! 俺は浅葱さんのためなら笑って死んで行きますから、浅葱さんはなーんにも気にせず残りの人生を幸せに暮らして下さい! あ、でも野々宮に先月貸したCDだけは返してもらうように伝えて下さいっ! あと、さとみちゃんのこと、よろしくお願いします! さとみちゃんと一緒に俺も出るかもですが、よろしくお願いしますっ! 塩はかけないで下さいね!?」
浅「バカか、お前は! そんな意味の解らんことごちゃごちゃ言ってる場合じゃないだろ!」
萩「だってーー!!」

女「……何なの、この人達……」
ア「女王様ー、萩間さんと浅葱さんは、私達とは別のゲームの人なんだから、斬っちゃダメだよー」
女「そうなの? ……まあ、わたくしたちのアリスがそう言うのなら……。それならアリス、アリスの首を……」
猫「アリスの首はダメだよ」
女「……あーら猫、いましたの! 全ッ然、見えていませんでしたわっ」
猫「もう老眼かい?」
女「なんですってえ!!?」
ア「もー、二人とも喧嘩しちゃダメだよー」

萩「いやー、ですから俺は、浅葱さんファンのひとりとして、俺の首くらいは、まあ、いいかなーみたいな」
浅「だから、そういう意味の解らない発言はよせと前から……」

廃「……なんか結局、いつもの流れだな……。また俺ハブにされてるし」















世にも奇妙な座談会・5(歪アリ+一夜怪談)


萩間「夏だねー」
アリス「夏ですねえ」

アリス「……今回は私達だけなんですか?」
萩間「いつまでも同じ画面じゃあアレだから、新しくしてみようって事らしいですよ」
アリス「へえ。チェシャ猫や浅葱さんは今回はいないんですねー」
萩間「後からその二人だけでとか、あったりして」
アリス「うーん、想像がつかない……」

萩間「しかし夏だよね。亜莉子ちゃんは夏休み中?」
アリス「はい。時々登校日もありますけど。萩間さんも夏休みですか?」
萩間「うん。大学の休みはねー、長いんだよー。でもバイトがあるからあまりどこにも行けないけれどね」
アリス「私も海とか行きたいんですけど、叔父さんが止めるんですよねー」
萩間「へえ。どうして?」
アリス「海に生首は完全にホラーになるからやめなさいって」
萩間「……へ、へえー。チェシャ猫さんも一緒に連れて行こうとしたんだね……」
アリス「はい! やっぱり、一人で留守番は寂しいでしょうし」
萩間「そう……。んー、じゃあ、海以外には何かありました?」
アリス「あ、おばあちゃん家で初めてお盆を迎えたんですよー。迎え火とか、お盆の準備とか、初めてやることばっかりで!」
萩間「あー、お盆かあ。俺も準備はしてたんですけどねー。結局何もなかったなあ」
アリス「な、何かあってほしかったんですか?」
萩間「いやー、お盆ってほら、向こうの人が帰ってくるって言うじゃないですか。それで、さとみちゃんが来るかもーって思って、ケーキとかジュースとかみかりんとか用意してたんですけどね。結局さとみちゃんは来なかったし浅葱さんには怒られるし野々宮には呆れられるし、散々だったなあ」
アリス「そ、そうですか……」
萩間「やっぱり迎え火を焚かなかったのが原因かなァ?」
アリス「…………。」

萩間「亜莉子ちゃんは誰かに会えた?」
アリス「い、いえ……」(凄い質問だなあ……)
萩間「そっかー。残念だねえ」
アリス「え?」
萩間「いや、ほら何となく……会いたくても会えない人っているじゃないですか。亜莉子ちゃんにもやっぱり、そういう人っているのかなって」
アリス「あ、……はい。いますね……。二人……ううん、三人かな。もし帰ってきていたなら、話をしたかったなって……」
萩間「そっかー。会えたら、何を話したかったの?」
アリス「……ごめんなさいって。一言、謝りたかったです。ちゃんと……」
萩間「そっかー……。うん、でも、その三人の人達も、ちゃんと解ってると思うよー。亜莉子ちゃんがそう思っているんなら、その気持ちは届いてるよ!」
アリス「だと、いいんですけど。……ありがとうございます、」
萩間「いえいえ。いやー、何か真面目になっちゃいましたね! うん、じゃあきっと俺の気持ちもさとみちゃんに届いているだろうから、来年は来てくれるかなー!」
アリス「……いや、それは解らないですけど。あ、あと萩間さん。その三人なんですけど、一人は人間じゃないんです」
萩間「へ?」
アリス「ウサギなんです」
萩間「……へ、へえ……」















二度目の秋


ア「秋だねえ」
猫「秋だね」
廃「それにしちゃ暑ちいけどな」
ア「残暑が厳しいんだよねー。あんまり暑いから冷たいものを食べ過ぎちゃうんだよねー」
廃「太るぞ」
ア「!!!!! ……ふ、太った、かな? ねえチェシャ猫! 私太った!?」
猫「さあ?」
ア「廃棄くん! 私太った!!?」
廃「い、いや、ただの注意のつもりなだけで、深い意味はない……んだ。……気にしてたのか?」
ア「…………ちょっとね。」
猫「大丈夫だよ、アリス」
ア「? 大丈夫って?」
猫「太ってもアリスはおいしいよ」
ア「より嫌よッッッ!!!」


ア「まあそんな話は置いといてね? 秋ならではの話をね……」
廃「秋ならでは、ねえ。なんかあったっけ?」
ア「去年のこの時期はハロウィンの話をしてたような気がするー」
廃「ああ……結局オシャカになったあれか。何だ、今年はやるのか?」
ア「うーーん……また文句言われそうだしなー……」
廃「……言うだろうな」
ア「しかも今年はね、帽子屋達に断られたら是非にって、女王様とウミガメモドキから誘いを受けてるのよ。女王様が物凄く嬉しそうでね、断るに断りきれなくて……」
猫「放っておけばいいじゃないか」
ア「だからそういう訳にもいかないの! うーん……どうしようかなあ……」
廃「嫌がられても決行するか?」
ア「でもねー……強行突破はこれで三回目だから……ん、四回目かな?」
廃「…………」
ア「前なんか女王様がシャンパンで酔っちゃってー、誰彼かまわず首切って鎌振り回して、大変だったんだよねー。帽子屋危うく逃げ遅れて、帽子ごと斬られそうになってたし。あははは」
廃「笑って済ませる話なのか、それ?」
ア「実際斬られたみんなは首繋がったから……。みんなパン族だったしねぇ」
廃「……そうか。」
ア「それで今年はー……うーん、どうしよう? んー……」
廃「まあゆっくり考えるしかないな」
ア「うん……。あ、アイス食べる?」
廃「俺はパンだってば」
ア「チェシャ猫は?」
猫「猫は冷たいものがキライなんだよ」
ア「ふーん……猫舌だから熱いのもダメだよね。じゃあ私バニラ食べよっと!」
廃「…………」
猫「…………」
ア「つめたーい! おいしー!」
廃「……本気で太るぞ」





[戻る]



inserted by FC2 system